君との恋は面倒すぎる
Episode8
───Side 蒼空


その日の暗くなる前に日和を送った後、薫を呼び出した。

近くの店で入って待ってると、私服姿の薫が目の前に来る。


「…久しぶり?」

「毎日顔合わせてんじゃん」


久しぶりなんて違和感を感じる言葉にそう返すと薫は「確かに」と笑いながら椅子に座る。

目の前にすると何話していいかわからない。

友達と好きな子が被ってとかそんな経験ないし。

それに俺が何を言えば良いのか。

薫が日和を好きだとしても、別れるなんて言えるわけでもないのに。

このまま俺達がどうにかなることは無いんじゃないかって思う。


「俺、前蒼空に言った通り、今も日和ちゃんが好きだ。きっぱり振られてるけど、それでも今でも好き」


まっすぐ好きなんて言える薫が少し羨ましかった。

いつも伝えられたらもっと俺達は上手く関係性を築けているはずなのに、俺のせいでどうも上手くいかない。
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