君との恋は面倒すぎる
水族館内は暗いところもあって足元が見えにくい。

足元に気をつけて歩いていると、蒼空くんが私の手を撮りながらゆっくり歩いてくれる。


「危なっかしい」

「大丈夫だよ、子どもじゃないんだから」


そういいながら怒ると笑っている。


「わっ」


近くに居た茉莉ちゃんが足元をとられて転びそうになっている。

支えようとすると蒼空くんが私の手をパッと離して、茉莉ちゃんの身体を支えるように前から触れる。


「あ…、ごめんなさい…」


気の所為…?茉莉ちゃんの顔が赤くなった気がして、何だかモヤッとする。

蒼空くんは「気をつけて」と言うと身体からすぐに手を離す。

蒼空くんに支えさせるくらいなら私が助けたかった。

蒼空くんはあまり女子と関わる方じゃないから気にしたこと無いけど、初めて嫉妬してしまったかもしれない。
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