君との恋は面倒すぎる
Episode16
それから蒼空くんと私のお昼のあの時間は復活させる流れになった。

仲直りしたあの日の放課後一緒に帰ることになって、久しぶりに手を繋いで帰ってくれてドキドキしてしまっていた。

久しぶりすぎて緊張が…!

手とかもどうやって繋いでたか忘れてしまいそうなほどこんな風に一緒に帰るのが久しぶりで。


「そう言えば、もう遠慮しなくて良くなったんだよな。」

「え?」

「やっぱり、昼は一緒に居ない?」


空き教室でのあの時間を再開させようって意味だと思う。

遠慮って言葉を使ったあたり、やっぱり我慢させてたのかもしれない。


「俺、そんなに大人になりきれないから、友達大事にする日和の事も好きだけど、やっぱり俺の事優先でいて欲しいって思う。」


そんな事を少し照れながら言ってくるから久しぶりに心を撃ち抜かれている。

そうだった、こういう人だったこの人。

油断してたら迂闊に撃たれて私の中の私が機能しなくなるほどボロボロにされちゃうんだった。


「そ、れは。お弁当も再開させていいってことでしょうか!」

「それは日和の負担にならなきゃ。単純に昼休みのあの時間で話せてたこと沢山あるから大事だなって思った。俺にとってあの時間」
< 286 / 379 >

この作品をシェア

pagetop