君との恋は面倒すぎる
「蒼空くん、3年間本当にありがとう。蒼空くんの彼女になって、この学校でずっと一緒に居れてすごく幸せだった!」


出来る限りの笑顔で蒼空くんに精一杯の感謝を伝える。

蒼空くんは首を横に振って、私を抱き寄せる。


「…蒼空くん?」

「こちらこそ、あの日告白してくれてありがとう。」


短い言葉だったけどこの一言に蒼空くんの気持ちがぎゅっと詰まっている気がして、涙が出そうになる。

もうこの場所には来れなくなるけど、ここがなくたってきちんと向かい合って行きたい。

私にとって心の支えでも合ったこの空き教室のことはきっと数年経っても色褪せず尊い場所として、思い出としてずっと心に残るんだと思う。

今この瞬間の思い出も絶対忘れない。


「大好きだよ、蒼空くん」


そう伝える私に蒼空くんの抱きしめる力が強くなる。


「…俺のほうが好きだよ、絶対」


そう小さく呟く声ははっきり耳まで届いた。

これからもこの気持ちだけはすれ違うこと無く想い合っていられますように。
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