君との恋は面倒すぎる
「私、柊 日和になれるってこと?」

「七瀬も良かったけどね」


いつかずっと柊になりたいって願ってその夢が叶おうとしている。

こんなに幸せでいいんだろうか。

私の頭をずっと撫でてくれる蒼空くんを見ると、優しい表情をしたまま「ん?」と首を傾げている。


「旦那さん…?」

「まだ気早いけどね。」


プロポーズにかなり浮かれてしまっている。

情報量が多くて頭がパンクしそう。


「そんな事言いながら蒼空くんも浮かれちゃってるんじゃないの」


そう言いながらすこしからかうつもりだったのに、大人になった蒼空くんにはそんなの通用しない。


「だとしたら?」


なんて開き直って笑ってくるから、逆にその言葉に照れさせられてしまって苦しい。

学生時代よりもずっと厄介で、もう私のからかいなんて通用しない。

それでいて素直なような、素直じゃないような。

いつまで経っても一筋縄ではいかない君との恋は面倒すぎる。


     





END
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