君との恋は面倒すぎる
「日和ちゃん」


帰り際、薫くんに呼び止められて振り向くと申し訳無さそうな表情をしていた。


「お昼…のさ、聞いてなかったとは言え、その、ごめん。酷いこと言った」


そう言って頭を下げてくる薫くん。

こんな律義に謝ってくれるなんてまさか思ってなくて、少し驚いた。

薫くんとあまり話した事が無いのもあって、どんな人か知らなかったし。


「ああ！気にしないで、知らなかったら当然の反応だと思うから」


目の前で手を振りながら笑って伝えると少しだけホッとしたような表情をしている。


「蒼空のそういう話本当聞かなくてさ、今までもしかしてずっと邪魔してた？」

「ううん、付き合ったのも本当最近だから私達も今は探り探りなの、だから邪魔とかそんなのないよ！」


気を使わせて申し訳ないけど、本当昼しか一緒出来てないし。

付き合ってるのかわからないくらい何もないからな。

そう考えて苦笑いしてしまう。
< 39 / 379 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop