君との恋は面倒すぎる
「…隠し通せてるつもりだったんだけど」

「うん、私しか気付いてないから。だから誰かが気付く前に止めてあげる」


薫は日和が好きというのは、見るからに分かった。

最初は柊くんが選んだ子が気になる興味で、ただそれだけだったのに、話してる内に健気でひたむきな日和を好きになったんじゃないかって。

分からなくもないけど、だとしても。


「だよな、良くないよな。」


そう呟いて深く息を吐いている。


「分かってるんだけどさ、やっぱ思うよ。俺のが大事に出来んのになって。何であんな態度しか取れないんだろ蒼空」

「私も日和見てたら余計な事言いそうになって、やめなって言いたい気持ちはすごくわかる。でもそれも大事なのは日和の気持ちで私の身勝手なアドバイスはするべきじゃないよなって思ったんだよね。」


日和の泣きそうな顔、もう何度も見てる。

日和だけが先にいつも進みたがって、気持ちを伝えてるのも日和の方で。

何で柊くん日和と付き合ったんだろうって本当に思う。


「大人だよな、紗月。俺、紗月のそういう所本当尊敬してる。」

「…余計な事して拗らせたくないだけ」

「うん、それでも」


そう言って笑う薫に調子崩れる。

恋愛なんてしたことがないから碌な事言えないのに首を突っ込んでも、でしょ。
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