君との恋は面倒すぎる
Episode5
あの学園祭から2週間後、夏休みに入った。


「紗月…、蒼空くんに会いたい」

「…連絡すればいいじゃん」


紗月の呆れた様な顔がこちらを向いている。

それは本当にその通りなんだけど。

いまだに連絡する時は勇気が出ない。

でも会いたい。もうすぐ花火大会もあるし、誘ってもいいかな。

そう考えてはスマホを眺める。


「紗月は花火大会行かないの?」

「誰と行くのよ、相手がいないっつーの」

「薫くんは?」


そう問いかけるとむせ始めてしまう紗月。

そしてすぐに嫌そうな顔を全面に出して見せてくる。
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