君との恋は面倒すぎる
「今日、優しすぎてどうしたら良いかわかんない。」

「何そのいつもは冷たいみたいな言い方。」

「冷たくないけど、こんなに優しくもしてくれないのに」


そう言うと苦しいくらい抱きしめられて背中を軽く叩く。

それでもあまり力は緩めてくれない。


「七瀬と違って俺はそんな素直に何も言えない。何で逆にそんな言いたい事言えんの。」

「え、何で…。何でだろう。」


口数も言葉も少ないから蒼空くんの事何もわからないけど、普段そう思ってるんだ。

なんか可愛いことをさっきから言っている蒼空くんに思わず笑ってしまう。


「何笑ってんのムカつく」


怒ってる蒼空くんには申し訳ないけど可愛くて仕方ない。


「普段から好きなのに、こうやって気持ち伝えてくれる蒼空くんが可愛くて好きだなって。」


蒼空くんが少し身体を離して至近距離で見つめ合うと、頬に触れられる。

もしかして…、今度こそキス…?
< 88 / 379 >

この作品をシェア

pagetop