無気力な幼なじみは、私にだけアツくなる~縁結び神社のみこちゃんが恋を知るまで~
〇香云目線に移行(美恋は知らない場面)
それを少し離れた所で見ている日芽花達の描写。
日芽花「あれは惚れてまうやろ」
と同情の目で香云を見る。
日芽花「いいの? 香云くん」
香云「いい訳ないだろ」
日芽花「じゃあどうするの?」
香云「どうもこうもないよ。俺だって小さいころから美恋を見守って来たんだ。今更誰がこようが、引いてやるつもりはない」
香云の言葉ににやける日芽花。
日芽花「おうおう、いうじゃなーい。ずっと片思いをしていた人とは思えなーい」
香云「うっせ」
揶揄ってくる日芽花の手を払い、美恋を見つめる香云。
日芽花は事情を知っているので苦笑いを零す。
日芽花「まあ片思い期間もただ想ってたわけじゃないってのは知っているけどさ。お兄さんやおじさんに認められるまでいえなかったんでしょ?」
香云「まあな」
過保護な美恋の家族が、美恋と付き合う人を品定めしていた(主に、美恋を守れる強さがあるかどうか)。
香云は認めてもらうために道場に通っていた。
日芽花「でもさ、あの子本気っぽいし、もしかしたら家族にも認められちゃうかも?」
日芽花の言葉を聞いた香云、ハッと挑発的な笑みを浮かべる。
香云「そんなの、わかってんだよ」
香云(美恋は本当に日に日に可愛らしくなっていく。これからその魅力に気がつく奴だって出てくるだろう)
香云(だが……)
香云「どんな奴がこようと、美恋への想いは負けるつもりはない。ようやく気持ちを伝えることができたのに、横からとられるなんて冗談じゃない。だから」
美恋へ熱い視線を送る香云。
香云「めんどくさいなんて言わない。俺も本気で挑まないとな」