無気力な幼なじみは、私にだけアツくなる~縁結び神社のみこちゃんが恋を知るまで~
香云「お前は自分のことよりも他の誰かのことを考えられるやつだ。だから俺は、そんなお前のすべてを守れりきれるようになりたいって思ったんだ」
美恋「……そんな昔のこと、よく覚えているね」
香云「美恋にとっては当たり前のことをしただけかもな。でも、俺にとっては大切な思い出なんだ」
香云はそこまで言うとようやく体を離し、真っ直ぐに美恋を見つめた。
香云「俺も、お前と同じだ。俺の隣には美恋が。お前の隣には俺がいないと嫌だ。これからも、ずっと……」
美恋「香云……」
見つめ合い、キスをする雰囲気に。
顔を近づけてきた香云だったが、美恋はすんでのところで手を挟んでしまう。
ジト目で見てくる香云に、顔を真っ赤にした美恋。
美恋「そ、そう言うのは、その。心の準備が、まだでして……」
香云「……ずっと待ってたんだけど」
美恋「うぅ……そうだけど、でもあとちょっとだけ待って」
ゆでだこのように赤くなった美恋からは湯気が。
その様子を見た香云、大きくため息をつく。
香云「あと少しだけだからな」
美恋「!!」
そう言って油断していた美恋の額に口づける。
美恋「な、あ、う」
さらに赤くなって倒れそうになる美恋。
香云は優し気な瞳で見ていた。