無気力な幼なじみは、私にだけアツくなる~縁結び神社のみこちゃんが恋を知るまで~

 〇美恋の家・客間

 悠のメイク道具がたくさん広げられ、メイクアップを施されている美恋
 目を閉じてパフで粉をはたかれていたところ。


 美恋「それにしても暁彦くんのお姉さんだったとは」
 悠「ねー! ウチも弟の友人だったとは思わなかった。すっごい偶然だね!」


 あのあと念のために暁彦に確認電話を入れると、間違いなく姉だと判明した。


 美恋(暁彦くんにはお世話になっているから、別にお詫びはしなくていいと言ったんだけど……)


 興奮気味の悠に押し切られて化粧を受けることになったのだった。


 美恋(それはいいのだけど……)


 悠「にしても、やっぱり美恋ちゃん肌きれいだ~! いいねいいね、化粧乗りがダンチだよ!」
 美恋「そ、そうですか?」

 悠「うんうん。きめは細かいし、透明感もあるし、まつ毛も長い! ザ・日本美人って感じ?」
 美恋「え、へへへ」

 悠「思わず抱きしめたくなるような愛くるしさっていうの? これは彼氏くんもやばいのでは!?」


 美恋(ほ、褒め言葉がすごいのよ!)


 悠の怒涛(どとう)の褒め言葉にテレる美恋。


 美恋「そんなこと言われたの初めてで……。お世辞(せじ)でも嬉しいです」
 悠「お世辞~!? ないない! 本音本音!」


 しゃべりながらも手を止めない悠のおかげで、十分もすると化粧が終わる。


 悠「はい、できた! どうかな?」


 鏡を受け取り見る(このシーンではまだ美恋の顔を映さない)。


 美恋「こ、こんなに変わるんですか!?」
 悠「気に入った?」

 美恋「は、はい! すごいです」
 悠「ならよかった~! 彼氏くん驚くと思うよ~? これは我慢できずにチューしちゃうかも!?」

 美恋「ええ!?」


 想像する美恋。赤面を隠せない。


 悠「さ、早くあの子に見せにいこう!」


 グイグイと押されて外へ。

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