無気力な幼なじみは、私にだけアツくなる~縁結び神社のみこちゃんが恋を知るまで~

 〇玄関先

 外で待っていた香云の元へ出ていく。
 美恋がきたのに気がつく香云、振り返って固まる。


 美恋の浴衣姿&メイクアップ後の顔を描写(全体的に色っぽさを出すメイク・大人め・厚くない程度で素材の良さを引き出すメイク)。


 美恋「お待たせ。ど、どうかな?」
 香云「――」


 美恋に見惚(みと)れる香云、言葉を失う。


 美恋「香云?」
 香云「っ、あ、ああ」


 香云はしどろもどろになりながら首をさすり、目線が泳ぐ。


 香云「その、き、きれいだ。とても。あ、いや。元からきれいだけど、ええと」
 美恋「……ふふ」


 しどろもどろな香云に、思わず笑みがこぼれる美恋。
 香云が本心で褒めてくれているのが分かっている。


 美恋「ねえ香云」


 一歩、香云に近づく。


 美恋「かわいい、かな?」


 下から上目遣いで覗き込む。
 香云はボッと赤面し、小さな声でつぶやく。


 香云「……かわいい」

 美恋「そっか。よかった。……ね、手繋ごうよ」
 香云「っ、あ、あぁ」


 ぎこちなく出される手に重ねる。
 悠にお礼を言って別れると、二人で歩き出したのだった。

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