無気力な幼なじみは、私にだけアツくなる~縁結び神社のみこちゃんが恋を知るまで~

 〇放課後の教室(次の日)

 美恋(みこ)と向き合って座っていた日芽花(ひめか)が目を輝かせて美恋の話を聞いている。
 昨日香云(かい)に言われたことを日芽花に相談しているところ。


 日芽花「って、言われたの!? 香云くんに!?」
 美恋「う、うん」
 日芽花「きゃーーーー!? ようやく!? ようやくなの!?」


 なぜかものすごく興奮(こうふん)する日芽花。対する美恋は困惑(こんわく)した様子。


 美恋「ね、どういうことだと思う?」
 日芽花「どうって、好きって言われたんでしょ?」

 美恋「でも、相手は香云だよ? 兄妹みたいなものだし……」
 日芽花「あーもー! 分かってないなぁ美恋は!」


 イスを飛ばす勢いで立ち上がる日芽花。
 びしりと美恋に向けて指をさす。


 日芽花「兄妹だと思っていたのは美恋だけで、香云くんはずっと美恋のことが好きだったんだって!」
 美恋「そんな素振(そぶ)り、今までみたことないのに?」


 きょとんと首を傾げる美恋に、日芽花は何かものを言いたげな視線をおくる。


 日芽花「……」

 美恋「なに?」
 日芽花「いや。香云くんも苦労するなーって思ってさ」


 日芽花の言葉に余計(よけい)首をかしげる。


 日芽花「まあそう言うところが美恋らしいけど。でもさ香云君、意外と本気かもよ? そうだったらどうするの?」
 美恋「本気だったら……?」


 上を向いて、考える素振りを見せる美恋。


 美恋(本気だったら、か)


 香云のことは嫌いではないし、家族みたいなものだった。
 けれどいきなり恋愛対象として見られるかというと……。


 そんなことを考える美恋を見越した様に、日芽花は親指を立てウインクをしながら走り去っていった。


 日芽花「香云くんの本心が分からないのなら、確かめるしかないでしょ! ってことでちょっと待ってて! 香云くん呼んでくる!」
 美恋「え!? ちょ、日芽ちゃん!?」


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