無気力な幼なじみは、私にだけアツくなる~縁結び神社のみこちゃんが恋を知るまで~

 〇学校、香云の教室
 次の日から美恋は自分の気持ちを知るために、香云の観察(かんさつ)を始めた。


 (香云の後をつける美恋をダイジェスト)


 ・廊下で男友達と話している香云を廊下の端で覗いている美恋

 ・合同体育でサッカーをしている香云を隣のコートでいている美恋

 ・掃除中で廊下を歩いていく香云を教室内から見ている美恋


 (ダイジェスト終了)


 〇香云の観察を初めた数日後、美恋の部屋

 がっくりと項垂れる美恋。


 美恋(香云を見ていただけで、もうこんなに時間が経っていたなんて……!)


 結局自分が香云のことをどう思っているのか分からなくて、クッションに顔を埋める。

 告白からもうすぐ一週間がたってしまうので焦りが出てきた。
 なるべく早く答えを出したいが、いまだに自分の気持ちが分からない。


 美恋「返事はいつでもいいって言われたけど……このままじゃだめだよなぁ」


 美恋(好きだって言われて混乱したけど……嫌ではなかった)

 美恋(香云は幼いころから一緒だったし、好きか嫌いかと聞かれたら当然好きな部類に入るし)

 美恋(でも私の好きって……異性として? それとも幼なじみとして?)


 思考がまとまらない美恋は大きくため息をつく。


 美恋(世の中の女の子たちって、こういう時どうするんだろう?)


 美恋「誰か教えてよ……神様~!」


 悩んでいても時間だけは進んでしまう訳で。
 気がつけば神事(しんじ)の日になったのだった。


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