兄弟
先輩
僕は杏。
なれないネクタイを結んで、スラックスを履いた
今日から星乃高校の1年生
入学式だからか、大抵の人はぶかぶかの制服に少し緊張した顔をしている
僕はそんなに大きめは買ってない
制服は組み合わせ自由
一応女だし180cmもあれば成長期も終わってるだろう
この身長と母に似た中性的な声と顔のせいで物心着く頃にはもう男の方がしっくり来るようになっていた
それより
人探ししなきゃな
もう、母が死んで2年たつ
僕が大きくなるまでって、がんばって宣告されていた余命より長く生きた
もう一人暮らしにも慣れてきた頃だ。
どこからか振り込まれるお金と、母が稼いだ膨大なお金のおかげで自由な生活を送ってきた
大事な書類のサインはマンションの管理人さんがいつもしてくれていたし、体が弱い僕を気にかけてくれてよく世話をしてくれる
母のファンだったらしい
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