兄弟


「僕は4人兄弟だった。
父さんと母さんも仲が良くて、特に歳が離れてる杏と杏のひとつ上の楓は二人ずっと一緒で、そんな2人を俺たちは溺愛してた。
でもある日急に父さんがキレてて、俺たちは訳も分からず母親と杏は死んだって聞かされた。
てっきり誰かに殺されて、だからキレてるのかと思ってた。その後詳細も聞かされずに2人の話はするなって言う雰囲気になって...」


「...そっか。」


「杏は、?」



僕は知ってる。

ごめんねって何度も謝られた。

その意味を知ったのは亡くなる2日前だ




余命宣告されて迷惑をかけると思い、別れる決心をした

本当のことを言うと反対されるから、酷い振り方をしたみたい。

ママっ子だった僕は母が居なくなったらストレスで病気が悪化するってお医者さんに言われたらしい


記憶の薄くなる今連れて行って、

ある程度死を理解できるようになってから本当のことを話しなさいと言われたみたい


それで、僕を連れて出ていった


「ーー亡くなったのは2年前。その時に僕もこのことを知らされたんだ」


全部話した。
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