密室島

序章

アナウンサー「おはようございます、みなさん。ニュースのお時間です。今朝のニュースはこちら」

テレビ越しに、とある小さな島が映し出される。

アナウンサー「島がまるまる学園のための島!?学園島の『学園ローレック』に迫る!本土から切り離された孤島、『心鏡島』。通称『学園島』。人口なんと2091人中、1839人が学生の島です。半ば実験的に作られた、学生のための島。その島民が通う、『学園ローレック』。本日はここ『学園ローレック』の校長先生、『心愛』さんにインタビューしました。では、VTRをどうぞ!」


テレビが切り替わり、校長室が映し出される。
そこには立っている黒髪インタビュアーと、ソファーに座っているピンク髪を束ねている女の人がいた。


心愛校長「『学園ローレック』はご存知の通り、中等部と高等部に分かれている巨大な学園です。この学園は、『学生の自立』をテーマに運用させて頂いています」

インタビュアー「ほほう。具体的にはなんですか?」

心愛校長「生徒たちの多くは、学園の外で働いています。何しろ、島民は9割が学生ですからね。学生も働かないと、島の生活は回りません。食料品や雑貨を売る学生、料理店を経営する学生、美容院で散髪する学生。色々います。学生のうちから仕事に触れてもらい、社会進出を促しています」

インタビュアー「それはすごいですね!学生の未来をよく考えていらっしゃる」

伯太(はくた)教頭「お二人とも、お茶をどうぞ」


扉が開き、緑髪のイケメン紳士が入ってきてお茶を机の上に二人分置く。


心愛校長「ああ、伯太教頭。どうもありがとう」


貰ったお茶を両方とも後ろの鉢植えに入れた。
すると蕾は枯れて、クキが粉々になってしまう。
その後、何もなかったように中継が進められる。


インタビュアー「学園の校長として働き、島の管理人としても働く。とても大変なことでしょう?」

心愛校長「ええ、でも子供たちのためです!私は子供が大好きですからね。むしろ大好物と言っても良い!子供のためになる教育方針を目指しています」

インタビュアー「しかし学園内では勉強、学外では仕事。学生たちはストレスが溜まりそうですね」

心愛校長「別に仕事は強制ではありませんし、娯楽にも気を配っています。子供達の間では、とあるカードゲームが流行していましてね。実は私も一緒に遊んでいます!」

インタビュアー「おおっ!校長先生が子供と混ざって!?本当に子供が好きなんですね」

心愛校長「はい。子供が見せる無防備な表情とか、未発達の肉体美とか大好物です!そういうわけで、『学園ローレック』は入学者募集中です。共に子供の自立を目指しましょう!」

インタビュアー「インタビュー、ありがとうございました」


数日後。
心愛校長が殺された。

頭から血を流し、近くには血まみれのトロフィーが落ちている。
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