不遣の雨
もしかして、このまま7日間
ここから出られないんだろうか‥‥
資料を片付けていた時は寒くなかった
のに、何もしてないとどんどん体が
冷えていくのが分かり、両手で二の腕を
何度もさする。
せめてスマホでも持って来ていたら‥
どれくらい時間が過ぎたのか、
時計もない保管庫では分からず、
体が冷えないように台車の上で
体操座りをして体を抱えていると、
静かな空間で自分の心音が
トクントクンと聞こえてきた
大丈夫‥‥まだ大丈夫‥‥
ガチャ
えっ?
ガチャ ガチャガチャ
膝に顔を埋めている時に突然ドアが
開く音に顔を上げると、通路から
差し込む光が眩しくて目を背けると、
誰かが近づく足音が聞こえた瞬間
思いっきり両肩を掴まれた。
『おい、大丈夫か!?』
「し、主任‥‥?どうしてここに?」
私もビックリしているけど、
主任はもっと驚いているようで、
薄暗い保管庫で、お互いしばらく
見つめ合ったまま動けないでいると、
ふっと我に返り、慌てて主任から
離れ台車から降りた。
「すみません、ファイルを返してから
帰ろうとしたらドアが開かなく
なってしまって‥‥」
『俺も返し忘れてたファイルを
偶々戻しに来たけど、ドアは開けて
おくのが鉄則だろう?』
「はい!も、申し訳ありません。
以後気をつけます。」
あれ‥‥‥何故だろう‥‥
今になってホッとしたのか、
目頭がどんどん熱くなってしまう。
俯いていた私は、足元に落ちた涙を
見られないように目を擦ると、
次の瞬間目の前にいた主任に
優しく抱き締められた。
体が冷えてたのかな‥‥。
それとも怖かったのかな‥‥
『大声を出して悪かった。
もう大丈夫だからとりあえず
出よう。』
腕の中でコクコクと頷くと、
主任がファイルを戻した後、一緒に
マーケティング部に戻った。
『もう遅いから帰ろう。
帰る支度が出来たら送っていく。』
「大丈夫です!!
なんともないですし、少し
不安になってただけなので、
電車で帰りますから。
ありがとうございました。」
弱っていたとはいえ、抱きしめて
貰うなんて、どんな顔をしたら
いいか分からず、急いで鞄を手にするとIDカードをスリッドさせた。
『カラ元気なのはいいが、
お詫びにご飯に付き合え。』
えっ?
ここから出られないんだろうか‥‥
資料を片付けていた時は寒くなかった
のに、何もしてないとどんどん体が
冷えていくのが分かり、両手で二の腕を
何度もさする。
せめてスマホでも持って来ていたら‥
どれくらい時間が過ぎたのか、
時計もない保管庫では分からず、
体が冷えないように台車の上で
体操座りをして体を抱えていると、
静かな空間で自分の心音が
トクントクンと聞こえてきた
大丈夫‥‥まだ大丈夫‥‥
ガチャ
えっ?
ガチャ ガチャガチャ
膝に顔を埋めている時に突然ドアが
開く音に顔を上げると、通路から
差し込む光が眩しくて目を背けると、
誰かが近づく足音が聞こえた瞬間
思いっきり両肩を掴まれた。
『おい、大丈夫か!?』
「し、主任‥‥?どうしてここに?」
私もビックリしているけど、
主任はもっと驚いているようで、
薄暗い保管庫で、お互いしばらく
見つめ合ったまま動けないでいると、
ふっと我に返り、慌てて主任から
離れ台車から降りた。
「すみません、ファイルを返してから
帰ろうとしたらドアが開かなく
なってしまって‥‥」
『俺も返し忘れてたファイルを
偶々戻しに来たけど、ドアは開けて
おくのが鉄則だろう?』
「はい!も、申し訳ありません。
以後気をつけます。」
あれ‥‥‥何故だろう‥‥
今になってホッとしたのか、
目頭がどんどん熱くなってしまう。
俯いていた私は、足元に落ちた涙を
見られないように目を擦ると、
次の瞬間目の前にいた主任に
優しく抱き締められた。
体が冷えてたのかな‥‥。
それとも怖かったのかな‥‥
『大声を出して悪かった。
もう大丈夫だからとりあえず
出よう。』
腕の中でコクコクと頷くと、
主任がファイルを戻した後、一緒に
マーケティング部に戻った。
『もう遅いから帰ろう。
帰る支度が出来たら送っていく。』
「大丈夫です!!
なんともないですし、少し
不安になってただけなので、
電車で帰りますから。
ありがとうございました。」
弱っていたとはいえ、抱きしめて
貰うなんて、どんな顔をしたら
いいか分からず、急いで鞄を手にするとIDカードをスリッドさせた。
『カラ元気なのはいいが、
お詫びにご飯に付き合え。』
えっ?