縁を結ぶ
出雲家…代々強力な異能力者を輩出する名家であった。
父 晴仁は強力な炎の異能と陰陽術を得意とした異能局の局長兼第一部隊隊長
母 香織は優れた治療術とその秀才さをもって軍の医局長も務めた
優秀な両親の元日鞠は4番目の子として出雲家に生を受けた。
生まれつき強力な異能をその身に宿していた日鞠はその代償として
身体が弱く外で遊ぶことはもちろん幼少期のほとんどをベッドの上で過ごした。
そんな日鞠の体調を安定させるべく両親はありとあらゆる研究を行っていた。
そのため、体調が不安定な少女を見守るのは兄姉の役目だった。
日鞠には2人の兄と1人の姉がいた。
長男…藤一郎
次男…輝義
長女…楓
熱を出せば看病し、さみしさで泣いているときは兄姉みんなでベッドで眠る。
とても、中の良い兄弟だった。
そう、あの日までは…
その日、両親は遠征に出ていた。
2人そろって任務に出ることは日鞠が生まれて以来とても珍しい日だった。
この日は、5歳になった日鞠も元気な日だったこともあり
珍しくリビングで人形で遊んでいた。
リビングには、藤一郎、楓のほかに近所に住む楓の同級生である鬼龍院一成がいた。
鬼龍院家も日々軍事に携わる一族のため交流も多くよく小学校帰りにも遊びに来ていた。
輝義は生徒会があるらしく帰宅は遅く不在にしていたが
藤一郎と入れ替わりで下の子たちの見張り役をしている。
日鞠「かえねぇちゃ!かずおにぃちゃ!あそぼっ!」
舌ったらずな、日鞠が楓と一成の手をひく。
一成「うん。何してあそぼっか?」
日鞠「じゃあねぇ…おにんぎょうごっこしよう!」
そういって日鞠は笑っていた。
そんな姿だった。
その日の夕方、一成が家に帰る直前事件が起きた。
日鞠「やだぁぁぁぁぁ!いやぁあぁぁ!」
何の前触れもなく日鞠が泣き出したのだ。
慌てて藤一郎が日鞠に近づき抱きかかえてあやしてあげる。
藤一郎「日鞠?急にどうしたんだ?一成君ならまた来てくれるよ。
いつもみたいにかずくんにばいばいしよう?」
日鞠「ちがうっちがうのっ!」
普段、ベッドにいることも多く体は小さいが精神年齢の高い日鞠が癇癪なんて珍しいと思うと
日鞠「おとーしゃんとおかしゃんにあいだいっ」
そういい、日鞠は兄の腕を抜けようとする。
藤一郎「ひまりっ、そんなに動いたら苦しくなっちゃうから
少し落ち着こう!」
妹をぎゅっと抱きしめる藤一郎は焦っていた。
その時、プルルルル…と受話器が鳴る。
楓が兄の代わりに電話に出るが、電話の向こうで兄に代わるよう指示される。
どうやら電話の相手は叔父の孝明であると楓はいう。
日鞠はいまだに泣いて父と母を読んでいる。
誰もが嫌な予感に襲われる。
藤一郎は泣きながら暴れる日鞠を楓と一成に預けて
固唾をのみながら電話を替わる。
孝明『藤一郎くん…冷静に聞いてほしい。晴仁兄さんと香織義姉さんが亡くなった。』
その瞬間、藤一郎は受話器を落とした。
落とした表紙にスピーカーのボタンが押され孝明の声がリビングに響き渡る。
孝明『すまない…』
ただ、その一言が日鞠の泣き叫ぶ悲壮な声の中にかすかにに響いた。
父 晴仁は強力な炎の異能と陰陽術を得意とした異能局の局長兼第一部隊隊長
母 香織は優れた治療術とその秀才さをもって軍の医局長も務めた
優秀な両親の元日鞠は4番目の子として出雲家に生を受けた。
生まれつき強力な異能をその身に宿していた日鞠はその代償として
身体が弱く外で遊ぶことはもちろん幼少期のほとんどをベッドの上で過ごした。
そんな日鞠の体調を安定させるべく両親はありとあらゆる研究を行っていた。
そのため、体調が不安定な少女を見守るのは兄姉の役目だった。
日鞠には2人の兄と1人の姉がいた。
長男…藤一郎
次男…輝義
長女…楓
熱を出せば看病し、さみしさで泣いているときは兄姉みんなでベッドで眠る。
とても、中の良い兄弟だった。
そう、あの日までは…
その日、両親は遠征に出ていた。
2人そろって任務に出ることは日鞠が生まれて以来とても珍しい日だった。
この日は、5歳になった日鞠も元気な日だったこともあり
珍しくリビングで人形で遊んでいた。
リビングには、藤一郎、楓のほかに近所に住む楓の同級生である鬼龍院一成がいた。
鬼龍院家も日々軍事に携わる一族のため交流も多くよく小学校帰りにも遊びに来ていた。
輝義は生徒会があるらしく帰宅は遅く不在にしていたが
藤一郎と入れ替わりで下の子たちの見張り役をしている。
日鞠「かえねぇちゃ!かずおにぃちゃ!あそぼっ!」
舌ったらずな、日鞠が楓と一成の手をひく。
一成「うん。何してあそぼっか?」
日鞠「じゃあねぇ…おにんぎょうごっこしよう!」
そういって日鞠は笑っていた。
そんな姿だった。
その日の夕方、一成が家に帰る直前事件が起きた。
日鞠「やだぁぁぁぁぁ!いやぁあぁぁ!」
何の前触れもなく日鞠が泣き出したのだ。
慌てて藤一郎が日鞠に近づき抱きかかえてあやしてあげる。
藤一郎「日鞠?急にどうしたんだ?一成君ならまた来てくれるよ。
いつもみたいにかずくんにばいばいしよう?」
日鞠「ちがうっちがうのっ!」
普段、ベッドにいることも多く体は小さいが精神年齢の高い日鞠が癇癪なんて珍しいと思うと
日鞠「おとーしゃんとおかしゃんにあいだいっ」
そういい、日鞠は兄の腕を抜けようとする。
藤一郎「ひまりっ、そんなに動いたら苦しくなっちゃうから
少し落ち着こう!」
妹をぎゅっと抱きしめる藤一郎は焦っていた。
その時、プルルルル…と受話器が鳴る。
楓が兄の代わりに電話に出るが、電話の向こうで兄に代わるよう指示される。
どうやら電話の相手は叔父の孝明であると楓はいう。
日鞠はいまだに泣いて父と母を読んでいる。
誰もが嫌な予感に襲われる。
藤一郎は泣きながら暴れる日鞠を楓と一成に預けて
固唾をのみながら電話を替わる。
孝明『藤一郎くん…冷静に聞いてほしい。晴仁兄さんと香織義姉さんが亡くなった。』
その瞬間、藤一郎は受話器を落とした。
落とした表紙にスピーカーのボタンが押され孝明の声がリビングに響き渡る。
孝明『すまない…』
ただ、その一言が日鞠の泣き叫ぶ悲壮な声の中にかすかにに響いた。