縁を結ぶ
父と母の葬儀は早かった。
異能の血は悪霊になることがあるので早急に送りの儀が行われる。
泣いている暇なんてなかった。
あの日、遅れて帰宅した輝義はすべてを知っていた。
陰陽局から連絡があったらしく、絶望した顔で帰宅した。
父と母の遺体は損傷がひどくとても
幼い妹たちには見せられた姿ではなかった。
だからこそ、2人の兄だけがこの姿の両親を見て火葬場見送ることを決意した。
楓は泣きじゃくり、日鞠はショックで高熱と発作で寝込んでしまった。
一成はいったん帰宅し、葬儀には家族で来てくれた。
近親者のみで執り行う葬式だったが鬼龍院の家は遠い親族として参列していた。
火葬前の棺桶には兄藤一郎の能力である幻影の力で損傷部分を補正し執り行った。
しかし、きれいな姿の両親を見ているはずなのに日鞠だけは震えていた。
聡明な妹の瞳には幻影など透けて真実の姿で見えるようで熱でぐったりしているにもかかわらず
葬儀中何度も両親の元へ歩み寄ろうとする姿に胸を痛め藤一郎は幼い妹をぎゅっと抱きしめて静かに泣いた。
異能の血は悪霊になることがあるので早急に送りの儀が行われる。
泣いている暇なんてなかった。
あの日、遅れて帰宅した輝義はすべてを知っていた。
陰陽局から連絡があったらしく、絶望した顔で帰宅した。
父と母の遺体は損傷がひどくとても
幼い妹たちには見せられた姿ではなかった。
だからこそ、2人の兄だけがこの姿の両親を見て火葬場見送ることを決意した。
楓は泣きじゃくり、日鞠はショックで高熱と発作で寝込んでしまった。
一成はいったん帰宅し、葬儀には家族で来てくれた。
近親者のみで執り行う葬式だったが鬼龍院の家は遠い親族として参列していた。
火葬前の棺桶には兄藤一郎の能力である幻影の力で損傷部分を補正し執り行った。
しかし、きれいな姿の両親を見ているはずなのに日鞠だけは震えていた。
聡明な妹の瞳には幻影など透けて真実の姿で見えるようで熱でぐったりしているにもかかわらず
葬儀中何度も両親の元へ歩み寄ろうとする姿に胸を痛め藤一郎は幼い妹をぎゅっと抱きしめて静かに泣いた。