縁を結ぶ
日鞠の部屋の廊下をはさんだ正面の部屋はリビングである。

みんながすぐに駆け付けられるようにと
昔から変わらない間取り。
4階建ての豪邸は4人家族には広すぎる間取りである。

1階は兄たちの仕事用フロアや実験室に応接間、客室。2階はリビングや日鞠の部屋、大浴場。
3階は兄姉の主寝室と吹き抜けの大ホール、4階は両親の部屋だった。

とはいえ、日鞠がいるため兄姉も含めほとんど主寝室や個人の部屋にこもることはなく
リビングに集まっている。

だから、今日もこの扉を開くと変わらず
みんながいるのである。

コーヒーを飲みながら新聞を読む兄
大学の課題を片手に朝食を食べる姉。

そして、ほぼ居候に近い鬼龍院兄妹もテレビを見ながら朝食を食べている。

いつもの朝の後継。

日々は揺れず濁らず巡っている。


< 8 / 8 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop