偽りの聖女と罵るならお望み通りにこの国を出て行きます。あとはどうぞお好きにお過ごしください
突然だけど私は婚約を破棄されるらしい。
それは煌びやかなパーティー会場での出来事。高い天井に吊るされたシャンデリアが柔らかい光を放ち、着飾った貴族たちが優雅に談笑している。間違いなく今この国で一番華やかな場所だろう。
そんな中、第二王子であるリオン殿下の声が静寂を引き起こしたのだ。
「エリナ・クロウノート。君との婚約をここに破棄する」
私に向けられた冷たい声、咄嗟に言葉を失った。それでも、動揺を表に出してはならないと自身に言い聞かせる。
会場中の視線が一斉にこちらに集まる中、なるべく冷静を装って問い返した。
「殿下、そのような決定を突然告げられる理由がわかりません。どうかお聞かせ願えますか?」
「理由は簡単だ。君が偽りの聖女であり、本当の聖女であるリシアを虐げてきたからだ」
殿下の隣には、私の妹であるリシアが立っていた。
(どういうこと……?)
状況に取り残される中、彼女は大粒の涙を浮かべて俯き、震える声でこう言った。
「お、お姉様は今まで私を無能な妹として振る舞うように命じていたんです……っ。私はずっと怖かったけれど……やっと真実を話せましたっ!」
周囲の貴族たちはざわめき、一斉に非難の視線を向けてきた。
リシアは人一倍その容姿に自信を持っており、現に美しい顔が涙で濡れたその姿に多くの人が心を動かされているのが分かる。
それは煌びやかなパーティー会場での出来事。高い天井に吊るされたシャンデリアが柔らかい光を放ち、着飾った貴族たちが優雅に談笑している。間違いなく今この国で一番華やかな場所だろう。
そんな中、第二王子であるリオン殿下の声が静寂を引き起こしたのだ。
「エリナ・クロウノート。君との婚約をここに破棄する」
私に向けられた冷たい声、咄嗟に言葉を失った。それでも、動揺を表に出してはならないと自身に言い聞かせる。
会場中の視線が一斉にこちらに集まる中、なるべく冷静を装って問い返した。
「殿下、そのような決定を突然告げられる理由がわかりません。どうかお聞かせ願えますか?」
「理由は簡単だ。君が偽りの聖女であり、本当の聖女であるリシアを虐げてきたからだ」
殿下の隣には、私の妹であるリシアが立っていた。
(どういうこと……?)
状況に取り残される中、彼女は大粒の涙を浮かべて俯き、震える声でこう言った。
「お、お姉様は今まで私を無能な妹として振る舞うように命じていたんです……っ。私はずっと怖かったけれど……やっと真実を話せましたっ!」
周囲の貴族たちはざわめき、一斉に非難の視線を向けてきた。
リシアは人一倍その容姿に自信を持っており、現に美しい顔が涙で濡れたその姿に多くの人が心を動かされているのが分かる。
< 1 / 5 >