偽りの聖女と罵るならお望み通りにこの国を出て行きます。あとはどうぞお好きにお過ごしください
やがて私の行動が村を救ったという噂は広がり、隣国の王子であるアルノルト殿下の耳に入る程になった。
そして今日、殿下が訪れることとなったのだ。
「貴女が、この国を救った聖女様なのですね」
アルノルト殿下は穏やかで誠実な人柄だった。今まで出会った男性の中には居ないタイプ。
その眼差しには疑念や偏見はなく、ただ純粋な感謝が込められていた。
「私は己の使命に殉じたまでのこと。わざわざ殿下が訪れる程の者ではありませんわ」
「そのような事、おっしゃられるものではありませんよ。貴女のおかげで、我が国の民が救われたのだから。むしろ王族として、挨拶の一つもしないなど……それはあってはならない事です」
彼との交流を通じて、私は次第に自分の心を取り戻していった。
一方、私の母国では混乱が続いていたようだ。
私を追放したことで聖女の守護が失われ、魔物が頻発するようになったらしい。リシアは聖女としての力を母から受け継げなかった未熟者、その嘘は次第に明るみに出ていったとのこと。
そして今日、殿下が訪れることとなったのだ。
「貴女が、この国を救った聖女様なのですね」
アルノルト殿下は穏やかで誠実な人柄だった。今まで出会った男性の中には居ないタイプ。
その眼差しには疑念や偏見はなく、ただ純粋な感謝が込められていた。
「私は己の使命に殉じたまでのこと。わざわざ殿下が訪れる程の者ではありませんわ」
「そのような事、おっしゃられるものではありませんよ。貴女のおかげで、我が国の民が救われたのだから。むしろ王族として、挨拶の一つもしないなど……それはあってはならない事です」
彼との交流を通じて、私は次第に自分の心を取り戻していった。
一方、私の母国では混乱が続いていたようだ。
私を追放したことで聖女の守護が失われ、魔物が頻発するようになったらしい。リシアは聖女としての力を母から受け継げなかった未熟者、その嘘は次第に明るみに出ていったとのこと。