君を想うといつまでも、
1話 久しい恋との出会い
ある学校の昇降口
クラス分け
今年、高校生になった莉流はうきうきと胸を高鳴らせながら、混雑している昇降口に近寄り、貼ってあるクラス分けの紙を見た。
6組のところに自分の名前を見つけると、高鳴らせたままの胸をより一層高鳴らせ、クラスに向かった。
右から2番目の、1番後ろ
それが私の席だった。
しばらくすると、先生が入学式の説明をしてくれた。
終わると言われた順番に、並ぶ。
私の前後の人が、私を挟んで楽しそうに話している。
列が進むと、皆静かになった。
高鳴る胸は、少し、というか大分、静けさを取り戻した。
全新一年生が着席すると、遂に入学式が始まる。
1組から順番に名前が呼ばれていく。
一瞬で、もう5組になった。もう少しで私の番だ。
そう、ドキドキさせた胸を落ち着かせようと、胸に手を当てようとした。
その時だった。
「鈴木歩高さん」
聞き覚えのある名前と「はいっ」という声。
驚きで、声が一瞬でなくなった。
「月海亜莉流さん」
「はいっ」と、しっかり返事をしようと思っていたのに、かすれた声になってしまった気がする。
その後は、右斜め前の方に座っている、見慣れない背中をずっと眺めていた。
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