君を想うといつまでも、
「あー!また見てる!!」
ビクッと肩を震わせると、後ろからドーンと春ちゃんが寄りかかってきた。
「相変わらず好きだね」
語尾にハートが見えるのは私だけだろうか、
「歩高さんは、どこにいたのー!」
煽るように、面白そうに、でも私の顔は勝手に赤くなる。
何故だろう。
そう思うのもつかの間、春ちゃんがまじめな顔で、
「歩高さんの超レア情報ゲットしてきたよ〜」
肩が揺れる、興味しかない。私は無意識のうちに、「教えて」と言っていた。
「ふふふっ、そういうと思ってたよ、」
春ちゃんはそういうと、少し声のトーンを落として続けた。
「友達から聞いた話だから本当かわからないけど…
歩高さんの好きな人が5組の木志田菜月
だってー。」
「好きな人ってのは先に言ってほしかったな、」
「ごめんごめん」
歩高さんに好きな人がいることは、知っていた。その上で好きになったのだ。分かってたはずだったんだけどな…。改めて聞くと、意外と突き刺さる物があるなと思った。
「でも…意外とチョロいらしいから、がんばっ!」
「人ごとだと思って…」
「だって人ごとだもん」
そういうとチャイムが鳴った。春ちゃんは「やべっ」と言いながら、自分の席に戻っていった。