この恋、延長可能ですか?
渡された書類を見遣ると、営業1課の提出書類らしい。ここの部署は多忙を極めているから、字が雑な人が多いんだよな……。
入力も難解だし、捺印漏れや記入漏れが非常に多い。殺伐とした雰囲気で男性社員も多くて。そんな雰囲気なのに『これ、なんて書いてあるんですか?』と勇者のごとく聞き行く度胸はない。イコール、自分で解読するしかない。
「もう、引き受けることないですよ〜!志麻さんはお人好しなんですから!」
からからと椅子を寄せては間延びした声を聞かせるのは、後輩の伊達《だて》ちゃんだ。
「いいのいいの。私、残業大好きだし!」
後輩に気を遣わせるわけにもいかず、笑顔を貼り付ける。
「志麻さんも大概、ワーカホリックですよね。大丈夫なんですか?」
「大丈夫です。伊達さんも、手一杯になった時はこちらに回してくださいね」
「まあ、そこはお言葉に甘えさせてもらいますけど!気をつけてくださいよね!?」
定時に上がることに命をかけている伊達ちゃんは、口だけのことが多い。男心はちっとも分からないけれど、分かりたくないこともわかってしまう、そんな歳になった。
入力も難解だし、捺印漏れや記入漏れが非常に多い。殺伐とした雰囲気で男性社員も多くて。そんな雰囲気なのに『これ、なんて書いてあるんですか?』と勇者のごとく聞き行く度胸はない。イコール、自分で解読するしかない。
「もう、引き受けることないですよ〜!志麻さんはお人好しなんですから!」
からからと椅子を寄せては間延びした声を聞かせるのは、後輩の伊達《だて》ちゃんだ。
「いいのいいの。私、残業大好きだし!」
後輩に気を遣わせるわけにもいかず、笑顔を貼り付ける。
「志麻さんも大概、ワーカホリックですよね。大丈夫なんですか?」
「大丈夫です。伊達さんも、手一杯になった時はこちらに回してくださいね」
「まあ、そこはお言葉に甘えさせてもらいますけど!気をつけてくださいよね!?」
定時に上がることに命をかけている伊達ちゃんは、口だけのことが多い。男心はちっとも分からないけれど、分かりたくないこともわかってしまう、そんな歳になった。