この恋、延長可能ですか?
「……へ!?や、そんなインスタントラーメンみたいに彼氏なんか出来ないよ!」
出来るのであれば今までの私の努力はなんだったのか、誰かに救済してもらわないと悲しすぎる。
「出来るのよそれが。会社の後輩ちゃんがいまハマってるんだけどさ。日和、〝レンタル彼氏〟って知ってる?」
「れんたるかれし?」
初めて聞いた、聞きなれないそのワードに首を傾げれば、朱希はにっこりと満面の笑みを浮かべた。
「そうそう。突然彼氏が必要になったり、人恋しい時とかにお金を払って彼氏になりきってくれるサービス!」
「……それってホストじゃん」
突然彼氏が必要になる状況というものにはこの際目を瞑ろう。その上で経験の乏しい頭で『日和がハマっちゃダメなサービストップスリー』と言われた1つを告げると、真っ赤な口紅が引かれた唇はふふんと口角を上げた。
「確かにホストのお手軽版って感じよね。デート料金は彼女持ちだし、貢がないと相手にしてくれないみたいだし」
「それって同伴中のホストでは?」
不信感が募るのは致し方ないことだと思う。
「日和、その上がり症というか、男性恐怖症、どうにかしたいんでしょ?物は試しよ。本気にならなければ良いだけだし、合わなかったら即解散で良いんだし、合えばそのままデートすればいいんだし。1回、利用してみたら?」
「ええー……?」
「あ、このサイトなんてよさそう!意外とイケメン多い!」
「お金払うならイケメンだよね。私なら誰にしよう……」
足踏みする私を放置した二人はスマホをまじまじと見ている。