三回も婚約破棄された小リス令嬢は黒豹騎士に睨まれる~実は溺愛されてるようですが怖すぎて気づきません~
5
ヴィオラがキールの屋敷に来てから半月が経った。その間、ヴィオラは寝室でキールの姿を見たことがない。一体キールはちゃんと寝ているのだろうかと疑問に思うくらいだった。だが、ある日の朝、寝室でヴィオラはとんでもない光景を目にした。
「キ、キール様ったら今までもソファで寝てらしたの……?」
ヴィオラの目の前にはソファで静かに寝息を立てているキールの姿がある。きちんと毛布のようなものはかけられているが、足が長いせいか毛布から飛び出している。ソファはキールのサイズに合わせた特注のようだが、それでもやはり成人済みの男性が寝るには窮屈そうに見える。
ソファで寝るキールのすぐそばまで行き、ヴィオラはキールをまじまじと見つめた。サラサラで少し長めの髪、いつもは鋭い眼光も今は瞼が閉じているが、やはり瞼を閉じた状態でも端正の取れた顔立ちなのがよくわかる。
(すごい、こんなに間近でキール様のお顔をじっくり見ることなんて初めてかも)
いつもは怖くてあまりキール自身をじっくり見ることができないが、今なら見放題だ。そう思ってじっくりキールの顔を観察していると、キールが身動いてゆっくりと瞼を開いた。美しい緑かかった金色の瞳とばっちりと目が合ってしまう。
「……ヴィオラ?」
唖然としているキールに、ヴィオラは思わずひっ!と両肩を上げて後ずさる。それからすぐに失礼なことをしてしまったと反省してヴィオラは口を開いた。
「す、すみません、すっかり寝ていらしたので見つめてしまいました」
「あ、ああ……?おはよう、起きていたのか」
「私もついさっき起きたばかりです。それよりもキール様、いつもソファで寝てらしたのですか?」
ヴィオラの疑問にキールは起き上がりながらそうだと頷く。
「寝室は一緒だが別に何もしないと言っただろう。それに俺は仕事上屋敷へ戻ってこないことも多い。屋敷にいるときはこれでも十分睡眠が取れる」
さも当然というようなキールに、ヴィオラは珍しく顔を顰めた。
「騎士様であればなおのこときちんとベッドでお休みになるべきです!こちらにお戻りになる時は私がソファに寝ますのでキール様はベッドでお休みになってください!」
「キ、キール様ったら今までもソファで寝てらしたの……?」
ヴィオラの目の前にはソファで静かに寝息を立てているキールの姿がある。きちんと毛布のようなものはかけられているが、足が長いせいか毛布から飛び出している。ソファはキールのサイズに合わせた特注のようだが、それでもやはり成人済みの男性が寝るには窮屈そうに見える。
ソファで寝るキールのすぐそばまで行き、ヴィオラはキールをまじまじと見つめた。サラサラで少し長めの髪、いつもは鋭い眼光も今は瞼が閉じているが、やはり瞼を閉じた状態でも端正の取れた顔立ちなのがよくわかる。
(すごい、こんなに間近でキール様のお顔をじっくり見ることなんて初めてかも)
いつもは怖くてあまりキール自身をじっくり見ることができないが、今なら見放題だ。そう思ってじっくりキールの顔を観察していると、キールが身動いてゆっくりと瞼を開いた。美しい緑かかった金色の瞳とばっちりと目が合ってしまう。
「……ヴィオラ?」
唖然としているキールに、ヴィオラは思わずひっ!と両肩を上げて後ずさる。それからすぐに失礼なことをしてしまったと反省してヴィオラは口を開いた。
「す、すみません、すっかり寝ていらしたので見つめてしまいました」
「あ、ああ……?おはよう、起きていたのか」
「私もついさっき起きたばかりです。それよりもキール様、いつもソファで寝てらしたのですか?」
ヴィオラの疑問にキールは起き上がりながらそうだと頷く。
「寝室は一緒だが別に何もしないと言っただろう。それに俺は仕事上屋敷へ戻ってこないことも多い。屋敷にいるときはこれでも十分睡眠が取れる」
さも当然というようなキールに、ヴィオラは珍しく顔を顰めた。
「騎士様であればなおのこときちんとベッドでお休みになるべきです!こちらにお戻りになる時は私がソファに寝ますのでキール様はベッドでお休みになってください!」