三回も婚約破棄された小リス令嬢は黒豹騎士に睨まれる~実は溺愛されてるようですが怖すぎて気づきません~
(ひっ、に、睨まれてる!?キール様もやっぱり私なんか連れていくのは嫌だと思ったのかも)
「それならなおのことドレスは色々なものを着てもらわないとな。そういえば、食べ物を食べなくても大丈夫なのか?」
「こ、こんなときに食べるだなんて、もしもドレスを汚してしまったら申し訳なくて」
戸惑いながら必死にそう告げるヴィオラを、キールはさらに目を細めて前髪の隙間からじっと見つめる。
(こわいよおぉぉ!)
ヴィオラが思わず震えて縮こまりそうになったその時。
「そんなことは気にしなくていい。ドレスが汚れてしまったら買い取ればいいだけだ。好きなだけ食べていいんだぞ」
キールの言葉にヴィオラがキョトンとする。ドレスが汚れてしまうと怒られることはあっても、まさか汚してもいいから食べろと言われるなんて。
「ほ、本当によろしいのですか?買い取るといってもこれらは試着用のドレスですよね?」
「あぁ、だが試着用といっても新品だし、ヴィオラの体型に近いものを持ってこさせてあるからな。ほら、何がいい?とってあげるよ」
キールは近くにあったバスケットを手にして催促する。
「え、ええっと、でしたら紅茶のシフォンケーキを」
「お、たぶんこれか」
キールはバスケットの中に手を入れてシフォンケーキを取り出した。ヴィオラはそれを受け取ろうとするが、キールは手に持ったままだ。ヴィオラが不思議そうにキールを見つめると、キールはヴィオラの口の近くにシフォンケーキを差し出した。
「ほら、あーん」
(え?あ、あーん?)
ヴィオラは驚きのあまり硬直するが、キールはおかまいなしにほらほらとシフォンケーキをちらつかせる。
ヴィオラは促されるままにシフォンケーキを一口頬張り、そのふわふわな食感と紅茶の香りが生み出す美味しさに思わず笑顔になる。それを見てキールは満足そうに微笑んだ。
「よし、とりあえず今日持ってきたドレスは全て買い取ろう。それから……そうだな、このドレスは再来週のパーティーまでにヴィオラの体型にぴったりになるようオーダーで頼む。髪飾りも似合いそうなものを新調してくれ」
「まぁ、なんて幸せな奥様なのでしょう。任せてくださいませ、奥様にぴったりに仕上げてまいります」
うふふ、と嬉しそうに笑う店員が持つキールが選んだそのドレスは、キールの瞳の色と同じ緑色の布地に金色の鮮やかな刺繍が彩られたドレスだった。
「それならなおのことドレスは色々なものを着てもらわないとな。そういえば、食べ物を食べなくても大丈夫なのか?」
「こ、こんなときに食べるだなんて、もしもドレスを汚してしまったら申し訳なくて」
戸惑いながら必死にそう告げるヴィオラを、キールはさらに目を細めて前髪の隙間からじっと見つめる。
(こわいよおぉぉ!)
ヴィオラが思わず震えて縮こまりそうになったその時。
「そんなことは気にしなくていい。ドレスが汚れてしまったら買い取ればいいだけだ。好きなだけ食べていいんだぞ」
キールの言葉にヴィオラがキョトンとする。ドレスが汚れてしまうと怒られることはあっても、まさか汚してもいいから食べろと言われるなんて。
「ほ、本当によろしいのですか?買い取るといってもこれらは試着用のドレスですよね?」
「あぁ、だが試着用といっても新品だし、ヴィオラの体型に近いものを持ってこさせてあるからな。ほら、何がいい?とってあげるよ」
キールは近くにあったバスケットを手にして催促する。
「え、ええっと、でしたら紅茶のシフォンケーキを」
「お、たぶんこれか」
キールはバスケットの中に手を入れてシフォンケーキを取り出した。ヴィオラはそれを受け取ろうとするが、キールは手に持ったままだ。ヴィオラが不思議そうにキールを見つめると、キールはヴィオラの口の近くにシフォンケーキを差し出した。
「ほら、あーん」
(え?あ、あーん?)
ヴィオラは驚きのあまり硬直するが、キールはおかまいなしにほらほらとシフォンケーキをちらつかせる。
ヴィオラは促されるままにシフォンケーキを一口頬張り、そのふわふわな食感と紅茶の香りが生み出す美味しさに思わず笑顔になる。それを見てキールは満足そうに微笑んだ。
「よし、とりあえず今日持ってきたドレスは全て買い取ろう。それから……そうだな、このドレスは再来週のパーティーまでにヴィオラの体型にぴったりになるようオーダーで頼む。髪飾りも似合いそうなものを新調してくれ」
「まぁ、なんて幸せな奥様なのでしょう。任せてくださいませ、奥様にぴったりに仕上げてまいります」
うふふ、と嬉しそうに笑う店員が持つキールが選んだそのドレスは、キールの瞳の色と同じ緑色の布地に金色の鮮やかな刺繍が彩られたドレスだった。