三回も婚約破棄された小リス令嬢は黒豹騎士に睨まれる~実は溺愛されてるようですが怖すぎて気づきません~
(え、えっと、これは、まさか、あーん?ですか?)
じっとキールを見つめるとキールは意図を組んだのだろう、軽く縦に頷いて待っている。
ヴィオラは目を丸くしながらもキールの口にお肉を一切れ近づけた。パクッとそれをキールが食べると、ふむ、と満足そうにしながらモグモグと口を動かしている。
「うん、やっぱりここの料理はうまいな」
キールは微笑みながらそう言い、そんなキールを見てヴィオラは胸がほわほわと暖かく、そしてなぜかドキドキと高鳴ってしまった。
(どうしてキール様と一緒にいるとこんなにも幸せな気持ちになるんだろう。初めは怖いとしか思ってなかったのに)
「少し喉が乾いたな。確か部屋に飲み物を置いていてもらってたはず……」
キールは辺りを見渡して小さな机の上にある瓶とグラスを見つけた。そのまま瓶を空けてグラスへ注ぐと、金色がかった透明でシュワシュワとしている。鼻を近づけて匂いを嗅ぐとほのかに甘い香りとお酒の香りが混ざっていた。
「ヴィオラ、酒は飲めるか?」
「強くなければ嗜む程度には……」
(あんまり飲んだことないけど、前にちょっと飲んだ時は平気だったしきっと大丈夫)
ヴィオラの返事を聞いてキールはひとつグラスを渡す。受け取ったグラスの中では光に当たった小さな小さなたくさんの泡がシュワシュワと上に登っていくのが見える。
「キレイ……」
嬉しそうにグラスを眺めるヴィオラをキールは優しい眼差しで見つめていた。
「今日はよく頑張ったな。お疲れ様」
カチン、とグラスを合わせてキールはグラスの中を一口飲む。ヴィオラも一口飲んでみると確かにお酒の味がほんのりとするが、果物のようなフルーティーさと絶妙な甘さでまるでジュースのようだ。
(わぁ!なにこれ美味しい!)
実は料理を食べてるときから飲み物がほしいと思っていたのだ。喉を潤したくてヴィオラはグラスの中を一気に空けてしまう。
「あ、おい、いくら飲みやすいからってそんなに一気に飲んだら……」
「でもこれジュースみたいで美味しいです……ってえ?……あれ?」
ヴィオラの顔がみるみる赤くなって、ヴィオラの視界がくらくらと歪んでいく。そのままふわぁっと上半身が倒れそうになり、慌ててキールが抱き止めた。
「ヴィオラ、ヴィオラ!……まじか」
ヴィオラは顔を赤らめながらキールの腕の中ですやすやと幸せそうに寝息を立てはじめた。
(まさか一杯で寝てしまうとは……飲みやすいとはいえ度数は低いわけではないから仕方がないのか。それにしてもこの状態は困った)
抱き締めたままのヴィオラはむにゃむにゃと幸せそうに寝ている。
「もう……食べられま……せん」
んふふ、と嬉しそうに笑うと、ヴィオラはまたすやすやと寝息をたてている。そんなヴィオラを見てキールは笑いを必死にこらえていた。
(まったくどんな夢見てるんだ。これはなかなか起きないだろうな。仕方ない、連れて帰ろう)
よいしょ、とヴィオラを横抱きにして立ち上がると、ヴィオラは寝たまま顔をキールへすりよせる。
「ん~……パスタが……逃げる……待って、逃げないで……」
そう言ってぎゅっとキールに抱きつくヴィオラ。一体どんな夢を見ているのだろう、寝言に関してはどうかと思うが、急に抱きつかれてキールは一瞬ドキリとする。
(まいったな)
キールは上を見上げてふーっと大きく深呼吸する。ドキドキと高鳴る胸に戸惑いながらも、キールはヴィオラを抱えてパーティー会場を後にした。
じっとキールを見つめるとキールは意図を組んだのだろう、軽く縦に頷いて待っている。
ヴィオラは目を丸くしながらもキールの口にお肉を一切れ近づけた。パクッとそれをキールが食べると、ふむ、と満足そうにしながらモグモグと口を動かしている。
「うん、やっぱりここの料理はうまいな」
キールは微笑みながらそう言い、そんなキールを見てヴィオラは胸がほわほわと暖かく、そしてなぜかドキドキと高鳴ってしまった。
(どうしてキール様と一緒にいるとこんなにも幸せな気持ちになるんだろう。初めは怖いとしか思ってなかったのに)
「少し喉が乾いたな。確か部屋に飲み物を置いていてもらってたはず……」
キールは辺りを見渡して小さな机の上にある瓶とグラスを見つけた。そのまま瓶を空けてグラスへ注ぐと、金色がかった透明でシュワシュワとしている。鼻を近づけて匂いを嗅ぐとほのかに甘い香りとお酒の香りが混ざっていた。
「ヴィオラ、酒は飲めるか?」
「強くなければ嗜む程度には……」
(あんまり飲んだことないけど、前にちょっと飲んだ時は平気だったしきっと大丈夫)
ヴィオラの返事を聞いてキールはひとつグラスを渡す。受け取ったグラスの中では光に当たった小さな小さなたくさんの泡がシュワシュワと上に登っていくのが見える。
「キレイ……」
嬉しそうにグラスを眺めるヴィオラをキールは優しい眼差しで見つめていた。
「今日はよく頑張ったな。お疲れ様」
カチン、とグラスを合わせてキールはグラスの中を一口飲む。ヴィオラも一口飲んでみると確かにお酒の味がほんのりとするが、果物のようなフルーティーさと絶妙な甘さでまるでジュースのようだ。
(わぁ!なにこれ美味しい!)
実は料理を食べてるときから飲み物がほしいと思っていたのだ。喉を潤したくてヴィオラはグラスの中を一気に空けてしまう。
「あ、おい、いくら飲みやすいからってそんなに一気に飲んだら……」
「でもこれジュースみたいで美味しいです……ってえ?……あれ?」
ヴィオラの顔がみるみる赤くなって、ヴィオラの視界がくらくらと歪んでいく。そのままふわぁっと上半身が倒れそうになり、慌ててキールが抱き止めた。
「ヴィオラ、ヴィオラ!……まじか」
ヴィオラは顔を赤らめながらキールの腕の中ですやすやと幸せそうに寝息を立てはじめた。
(まさか一杯で寝てしまうとは……飲みやすいとはいえ度数は低いわけではないから仕方がないのか。それにしてもこの状態は困った)
抱き締めたままのヴィオラはむにゃむにゃと幸せそうに寝ている。
「もう……食べられま……せん」
んふふ、と嬉しそうに笑うと、ヴィオラはまたすやすやと寝息をたてている。そんなヴィオラを見てキールは笑いを必死にこらえていた。
(まったくどんな夢見てるんだ。これはなかなか起きないだろうな。仕方ない、連れて帰ろう)
よいしょ、とヴィオラを横抱きにして立ち上がると、ヴィオラは寝たまま顔をキールへすりよせる。
「ん~……パスタが……逃げる……待って、逃げないで……」
そう言ってぎゅっとキールに抱きつくヴィオラ。一体どんな夢を見ているのだろう、寝言に関してはどうかと思うが、急に抱きつかれてキールは一瞬ドキリとする。
(まいったな)
キールは上を見上げてふーっと大きく深呼吸する。ドキドキと高鳴る胸に戸惑いながらも、キールはヴィオラを抱えてパーティー会場を後にした。