三回も婚約破棄された小リス令嬢は黒豹騎士に睨まれる~実は溺愛されてるようですが怖すぎて気づきません~
◇◆◇◆
「ようこそお越しくださいました、キール様」
キールとの縁談が決まり、ヴィオラを迎えにキールがやってきた。ヴィオラの両親は両手を広げて歓迎状態だ。
(こ、この方が黒豹騎士と呼ばれるキール・ハディウス様……確かに、黒豹みたい)
黒く少し長めの髪から覗く両目はやや緑がかった金色で鋭く、表情は常に真顔だ。真っ黒な衣装に身を包み長身で噂の通り手足がスラリと長い。ヴィオラは小柄なのでキールを見上げながらいつものように食べ物を頬張っていた。
「この度は縁談を受け入れてくださり感謝します」
「そんなそんな、こちらこそキール様のような素晴らしい騎士様に娘を選んでいただけて光栄です。見ての通りヴィオラは常に食べ物を摂取していないといけない体なのです。失礼とは存じますがどうかお許しを」
デュグラがそう言うと、キールはヴィオラへ視線を移した。
(ひっ、に、睨まれてる!)
キールの目つきは鋭く、まさに小さなリスが黒豹に睨まれているかのようだ。あまりの怖さにヴィオラが小さく震えているとキールはすぐに目を逸らした。
「申し訳ないが急いでいるので、このままご令嬢を屋敷へ連れて行きますがよろしいでしょうか」
「もちろんですもちろんです!どうぞ連れて行ってください」
(お父様もお母様もまるでさっさといなくなってほしいと言わんばかりの態度だわ。知ってるけど)
ヴィオラは食べ物を頬にいっぱい詰めながら心の中で呟く。そんなヴィオラをキールは横目で静かに見つめていた。
「ようこそお越しくださいました、キール様」
キールとの縁談が決まり、ヴィオラを迎えにキールがやってきた。ヴィオラの両親は両手を広げて歓迎状態だ。
(こ、この方が黒豹騎士と呼ばれるキール・ハディウス様……確かに、黒豹みたい)
黒く少し長めの髪から覗く両目はやや緑がかった金色で鋭く、表情は常に真顔だ。真っ黒な衣装に身を包み長身で噂の通り手足がスラリと長い。ヴィオラは小柄なのでキールを見上げながらいつものように食べ物を頬張っていた。
「この度は縁談を受け入れてくださり感謝します」
「そんなそんな、こちらこそキール様のような素晴らしい騎士様に娘を選んでいただけて光栄です。見ての通りヴィオラは常に食べ物を摂取していないといけない体なのです。失礼とは存じますがどうかお許しを」
デュグラがそう言うと、キールはヴィオラへ視線を移した。
(ひっ、に、睨まれてる!)
キールの目つきは鋭く、まさに小さなリスが黒豹に睨まれているかのようだ。あまりの怖さにヴィオラが小さく震えているとキールはすぐに目を逸らした。
「申し訳ないが急いでいるので、このままご令嬢を屋敷へ連れて行きますがよろしいでしょうか」
「もちろんですもちろんです!どうぞ連れて行ってください」
(お父様もお母様もまるでさっさといなくなってほしいと言わんばかりの態度だわ。知ってるけど)
ヴィオラは食べ物を頬にいっぱい詰めながら心の中で呟く。そんなヴィオラをキールは横目で静かに見つめていた。