三回も婚約破棄された小リス令嬢は黒豹騎士に睨まれる~実は溺愛されてるようですが怖すぎて気づきません~
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ヴィオラがキールの屋敷に来てから半年が経った。キールはいつも忙しく、日中屋敷にいないことも多い。騎士なので遠征することもよくある。そのため屋敷にいるときは魔力放出を避けるためになるべくヴィオラの側にいて片時も離れないということがほとんどだ。この日も久々の休日ということでキールはヴィオラのそばにべったりだった。
「ヴィオラ、今日は二人で出かけよう」
そう言ってヴィオラが連れてこられた場所は王都内にある上流貴族御用達の宝石店だった。
「これはこれはキール様、お待ちしておりました」
「今日はよろしく頼む」
「はい、お任せください。それでは奥様、こちらにどうぞ」
(奥様って、私はまだ婚約者なのだけど……それにこれは?)
目の前にはさまざまなデザインの指輪がたくさん並んでいる。シンプルなものから派手なもの、美しい装飾が施されたものなどこんなにも種類があるのかとヴィオラは驚き眺める。
「ヴィオラ、どのデザインがいい?」
「えっ、私が選ぶのですか?」
「あぁ、そのために来た」
キールの返事に戸惑いつつ、ヴィオラは促されるまま指輪をじっくりと眺めた。そして、一つの指輪に目が止まる。それは細めのリングに小ぶりの石が二つ流れ星のように並んだ指輪だった。
(シンプルだけど石の場所がお洒落で素敵だわ。石の大きさも邪魔にならない大きさだし)
じっとヴィオラが眺めていると、店長がニコニコと笑顔で指輪を差し出す。
「こちらお気に召しましたか?」
「え、あ、はい。とても素敵です」
ヴィオラが控えめにそう言うと、キールはヴィオラを見て言った。
「気に入ったのならこれにしよう。店長、これに俺と彼女の瞳の色の石をつけてくれ」
「かしこまりました、すぐに装着してきますのでお待ちください」
そう言って店長はいそいそと店内の奥へ下がっていった。ヴィオラはキョトンとしながらそれを眺め、キールを見上げる。キールと目が合うと、キールの瞳は長めの前髪の間からじっとヴィオラを見つめている。
「ヴィオラ、今日は二人で出かけよう」
そう言ってヴィオラが連れてこられた場所は王都内にある上流貴族御用達の宝石店だった。
「これはこれはキール様、お待ちしておりました」
「今日はよろしく頼む」
「はい、お任せください。それでは奥様、こちらにどうぞ」
(奥様って、私はまだ婚約者なのだけど……それにこれは?)
目の前にはさまざまなデザインの指輪がたくさん並んでいる。シンプルなものから派手なもの、美しい装飾が施されたものなどこんなにも種類があるのかとヴィオラは驚き眺める。
「ヴィオラ、どのデザインがいい?」
「えっ、私が選ぶのですか?」
「あぁ、そのために来た」
キールの返事に戸惑いつつ、ヴィオラは促されるまま指輪をじっくりと眺めた。そして、一つの指輪に目が止まる。それは細めのリングに小ぶりの石が二つ流れ星のように並んだ指輪だった。
(シンプルだけど石の場所がお洒落で素敵だわ。石の大きさも邪魔にならない大きさだし)
じっとヴィオラが眺めていると、店長がニコニコと笑顔で指輪を差し出す。
「こちらお気に召しましたか?」
「え、あ、はい。とても素敵です」
ヴィオラが控えめにそう言うと、キールはヴィオラを見て言った。
「気に入ったのならこれにしよう。店長、これに俺と彼女の瞳の色の石をつけてくれ」
「かしこまりました、すぐに装着してきますのでお待ちください」
そう言って店長はいそいそと店内の奥へ下がっていった。ヴィオラはキョトンとしながらそれを眺め、キールを見上げる。キールと目が合うと、キールの瞳は長めの前髪の間からじっとヴィオラを見つめている。