Dearest 1st DREAM
眠気覚ましに熱いシャワーを浴びて、香水をほんの少しだけ手首に馴染ませる。
BVLGARIの"POUR HOMME"。
何となく使い始めて習慣付いたこの香水。
今では目覚め香水だ。
髪にタオルを当て、
ごしごしと水分を拭き取りながら再びリビングへ戻った。
「──純、コーヒーで良かった?」
「あぁえぇで、自分で入れる。」
「いーって。
今さら遠慮するなよ」
そう言って、
そいつはニコッと微笑んだ。
──椎葉 吾郎。
俺の中学時代からの一番の親友だ。
家が近所だった上に、
何だかんだ言いつつ性格が合うからずっと付き合いがある。
俺より一つ年下のクセに、むちゃくちゃしっかりしてて頭が上がらない。