王子様が、呪われた私を気に入ったみたいです。
***
数時間後、私は学園の正門をくぐった。
(わあ。いつもながら、みんな派手だなあ……)
私の目線の先にいる学園の生徒たちは、皆制服だというのにブランド物の鞄を持っていたり、ギラギラした腕時計や、大きな宝石のついたアクセサリーをしている者までいる。
「おはよう~」
「あ、その鞄、シェネルの新作?」
「そうなの。お父様が海外出張のお土産に下さって」
「いいなぁ。私も来週パリに行くから、新しい鞄を買おうかな」