王子様が、呪われた私を気に入ったみたいです。
──ここ、私立神室学園は、国内でも有数の『お金持ち学校』だ。
通ってくる生徒たちのほとんどが資産家の子弟で、必然的に交わされる会話も学生らしからぬものが多い。
(私みたいに『特例』で入学した庶民もいるけどね……。周りの生徒たちが派手だと、ますます目立たなくて済むからありがたいわ)
私がそんなことを考えていると、校門の方からざわめきが聞こえてきた。
「神室さまだ!」
「今日も素敵……」
「顔もスタイルも良い上に成績優秀で、さらに学園一の大金持ちだなんて、非の打ちどころがないわよね~」