王子様が、呪われた私を気に入ったみたいです。
「ねえ、神室様どうされたのかしら?」
「誰かを探しているみたいだ……」
どうやら神室玲の様子がおかしいと、生徒たちがざわついているようだった。
(神室玲なんかと関わりあいになったら、とんでもなく目立つことになっちゃう……。万が一にも話しかけられないように、私はさっさと教室へ──)
その瞬間、大きな声が響いた。
「──いた! 君、佐倉美織だな?」
突然名前を呼ばれて、私はびくりと震えた。