王子様が、呪われた私を気に入ったみたいです。
何かの間違いかと思って振り向いたが、神室玲の目がまっすぐに私を見ている。
一瞬、目が遭いそうになって、私は慌てて視線をそらしてうつむいた。
「神室王子が探していたのって、あの子?」
「あの子って確か『呪われている』って噂の……?」
「なんで神室様があんな子を?」
周辺にいた生徒たちの視線が一斉に私に向けられるのを感じて、私は硬直していた。
(ど、どうしよう……何で神室玲が私なんかを? それに、皆こっちを見てる……!)
心臓がどくどく鳴っている。
私がうつむいて硬直していると、不意に腕を掴まれた。