そして俺は、契約妻に恋をする
「離婚しろって言われたら、土下座してでも謝るつもりだったんだが」

「そんな。いいのよお父さんなんて無視よ無視」

 心配してるなら、ちゃんと言ってくれたらいいのに。

「お、強気だな」

「母は強しなんだよね、真倫」

 チャイルドシートの真倫はどこ吹く風で、母にもらったおもちゃに夢中だ。

 バックミラー越しに運転席の真司さんが笑う。

「あんなに喜んでくれるなら、たまに真倫を連れて顔を見せようかな」

「ああ、そうだな。日本にいるうちに」

 ハッとしてバックミラーを見ると、真司さんは肩をすくめた。

「もしかすると来年ロンドンに戻るかもしれない」

「そうなの!」

 何度も夢に出てきたロンドン。

 今度は真倫を連れて、三人でクリスマスのラッピングされた通りを歩こう。

「行ってくれるか? 一緒に」

「もちろんよ。ダメって言われても行くわ」

 真司さん。愛するあなたがいる限り、私はどこに行ったって幸せだから。



END~*


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