そして外交官は、契約妻に恋をする
家事を手伝おうにも帰りが遅かったりで、結局彼女任せだ。
俺になにができて、彼女は俺になにを求めているのか。それがわからなければなにもはじまらない。まずは、時間を見つけなるべく一緒にいて、彼女を知ることから始めようと思った。
こうして同じ時間を過ごし、少しずつ詰めてきた距離。
「今日思ったんだが、君は赤が似合うな」
「ええ? そんなこと初めて言われましたよ?」
彼女が普段着ている服は淡い色のものだ。もちろん穏やかな人柄や優しい微笑みによく合っている。
でも赤を着た彼女は、別人のように輝く。まるで深紅の大輪の薔薇だ。
「じゃあ、俺が君の新たな魅力に気づいた第一人者だな」
「第一人者って、そんな」
あははと笑い合う。
「真司さんは、白が似合います。グレーに白を合わせたらもう完璧」
「そうか、じゃ部屋着は白かグレーにしよう」
「なんで部屋着なんですか」
そりゃあ、君にときめいてほしいからさ。
本当に言いたいことは胸の中だけに隠す……。
俺になにができて、彼女は俺になにを求めているのか。それがわからなければなにもはじまらない。まずは、時間を見つけなるべく一緒にいて、彼女を知ることから始めようと思った。
こうして同じ時間を過ごし、少しずつ詰めてきた距離。
「今日思ったんだが、君は赤が似合うな」
「ええ? そんなこと初めて言われましたよ?」
彼女が普段着ている服は淡い色のものだ。もちろん穏やかな人柄や優しい微笑みによく合っている。
でも赤を着た彼女は、別人のように輝く。まるで深紅の大輪の薔薇だ。
「じゃあ、俺が君の新たな魅力に気づいた第一人者だな」
「第一人者って、そんな」
あははと笑い合う。
「真司さんは、白が似合います。グレーに白を合わせたらもう完璧」
「そうか、じゃ部屋着は白かグレーにしよう」
「なんで部屋着なんですか」
そりゃあ、君にときめいてほしいからさ。
本当に言いたいことは胸の中だけに隠す……。