そして俺は、契約妻に恋をする


▼香乃子



 無理が祟ったのね。

 今夜はクスリスマス。私が元気になって二週間後、クリスマスパーティーが一段落しようやく明日は休みという夜に、真司さんは疲れた顔をして帰ってきた。

 大きな山を越えてホッとしたのかもしれない。そのまま寝こんでしまった。

 冷やしたタオルと交換用のアイス枕を持って真司さんの寝室に入る。

 彼は寝ていた。息はいくらか落ち着いたようだが、顔が赤い。そっと額に手をあててみると、やっぱりまだ熱がある。冷たいタオルを額に乗せた。

「……ん」

「あ、ごめんなさい。起こしてしまいましたね」

 彼は布団を捲り上げ「はぁー」と、息を吐く。

「いや、いいんだ。今何時?」

「ちょうどお昼頃です」

 起き上がり、彼が冷たいタオルを顔にあてている間に、アイス枕を交換する。

「はい。どうぞ飲んでください」

「ありがとう」

 タンブラーに入った経口補水液を渡すと、彼はゴクゴクと勢いよく飲んだ。汗をかいて喉が渇いていたんだろう。

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