副社長の甘い罠 〜これって本当に「偽装婚約」なのでしょうか?〜
「澪、なんで逃げるの?」
「え、えーと、心の準備がまだでして…」
(というか、お仕置きって何されるの…!?)
突然、頭の中がパニックに陥る。
でも、今日の飛鳥さんはここで終わらなかった。
「澪、こっち向いて?」
どんどん顔に熱が集中して、顔を見せるのも恥ずかしい。けれど、恐る恐る飛鳥さんに視線を移す。
その瞬間、優しく口を塞がれてしまった。啄むようなキスをしながら、徐々にソファに押し倒された。
(飛鳥さんのキスって、何でこんなにいやらしいんだろう…)
そんなことをぼーっと考えながら、飛鳥さんを受け入れていく。すると突然、飛鳥さんの舌が口を割って中に入り込んできた。
「んんっ…はぁっ ーーーんっ 」
「澪、可愛い」
こちらは息継ぎで精一杯だというのに、飛鳥さんは私を愛でるような言葉を降り注ぐ。ちょっと余裕がある感じなのが、悔しい。
「澪、続きはベッドで」
「ふぁい…」
キスだけでもうへろへろになっているのに、これからどうなってしまうんだろう? お姫様抱っこから落ちないように、飛鳥さんの首に腕を回してしがみついた。
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