副社長の甘い罠 〜これって本当に「偽装婚約」なのでしょうか?〜
澪との出会い ー飛鳥sideー
澪が寝る準備を整えて、俺の寝室に現れた。お風呂上がりで少し上気しており、ほてった顔がまた可愛い。
今日は俺も早めに帰ってきたので、寝る前にゆっくり話ができそうだ。
澪と出会った時のこと、その後もう一度会った時にどう感じていたか、話せたら良いなと思っている。
「澪、俺との出会いを思い出したって言ってたけど、もしかして日記に何か書いてあった?」
「はい、ホテルで迷子になった時のことが書いてありました」
「そうか、やっぱり……」
澪と初めて出会った時、倉田支配人にも会っているから、書いてあるとすればそのことだろうと思っていた。
「飛鳥さん、ずっと前から私のことが好きだったと言ってましたけど、いつから好きだったんですか? まさか、一番最初に出会った時?」
「そうだな、最初に出会った頃は恋というか、可愛い妹のような感覚だったんだけど。でも、その後も忘れられなくて、2度目に会った時もそれは変わらなかった。
……もう会えないかもしれない、と思ってからは適当に告白されて付き合ったりもしたけど。澪に対して「好き」という感情に変わったのは、やっぱり大人になって再会してからだろうな」
「え、今まで何人と付き合ったんですか?」
「はは、澪、やきもち焼いてくれてるの?」
「だって、飛鳥さん絶対モテるじゃないですか。どんな大人の女性達と付き合っていたのか、気になります。これは…やきもちですね」
むぅと顔を不機嫌にさせているのも可愛いし、やきもちを焼いてくれるのも嬉しい。そう思ってしまう俺は、やっぱり重症だろうか。
澪との出会いや、これまでのことを話し始めた。
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