副社長の甘い罠 〜これって本当に「偽装婚約」なのでしょうか?〜
「あら、本当なの?? 澪が誰かを連れてくるなんて初めてで、お母さん本当に嬉しいわ!
土日だったら都合がつくと思うけど、澪のシフトが合うかしらね。いくつか候補日送ってくれる?」
「うん、分かった。場所はカジュアルなレストラン、で良いかな? 実家でも良いけど」
「そうね、実家は散らかってるし、初対面だから、お母さんお気に入りのレストランを予約しておくわね」
「ありがとう。じゃあまずは日程を決めて、お母さんから2人には軽く話してもらえると嬉しい」
「はーい、分かったわ。澪、本当に楽しみにしてるわね!」
母との電話が終わった。
けど、何だか凄く罪悪感を感じる……。
副社長とは、母が思っているような「お互い愛し合っている関係」ではないのだから。あくまでも偽装婚約なわけで。それも母には言えない。
はぁーー、と長いため息が出てしまった。
スマホを見ると、突然ピコンッと「七瀬飛鳥」の名前が表示される。
ついその場で正座をしてしまった。上司・部下の関係からか、無意識に姿勢を正してしまう。
「婚約者らしい振る舞いとして、2人でいる時はお互い名前で呼ぼう。副社長呼びでは、怪しまれるから」
(副社長じゃなかったら、飛鳥さんって呼ぶの? いきなりハードル高いよ…)
「承知しました、と」
追加で、母親に電話をしたこと、日程を調整していて再来週の日曜になりそうなことを伝える。
すると、突然電話がかかってきて「うわぁっ」とスマホを落としそうになった。誰かと思いきや、着信元は副社長だ。
土日だったら都合がつくと思うけど、澪のシフトが合うかしらね。いくつか候補日送ってくれる?」
「うん、分かった。場所はカジュアルなレストラン、で良いかな? 実家でも良いけど」
「そうね、実家は散らかってるし、初対面だから、お母さんお気に入りのレストランを予約しておくわね」
「ありがとう。じゃあまずは日程を決めて、お母さんから2人には軽く話してもらえると嬉しい」
「はーい、分かったわ。澪、本当に楽しみにしてるわね!」
母との電話が終わった。
けど、何だか凄く罪悪感を感じる……。
副社長とは、母が思っているような「お互い愛し合っている関係」ではないのだから。あくまでも偽装婚約なわけで。それも母には言えない。
はぁーー、と長いため息が出てしまった。
スマホを見ると、突然ピコンッと「七瀬飛鳥」の名前が表示される。
ついその場で正座をしてしまった。上司・部下の関係からか、無意識に姿勢を正してしまう。
「婚約者らしい振る舞いとして、2人でいる時はお互い名前で呼ぼう。副社長呼びでは、怪しまれるから」
(副社長じゃなかったら、飛鳥さんって呼ぶの? いきなりハードル高いよ…)
「承知しました、と」
追加で、母親に電話をしたこと、日程を調整していて再来週の日曜になりそうなことを伝える。
すると、突然電話がかかってきて「うわぁっ」とスマホを落としそうになった。誰かと思いきや、着信元は副社長だ。