副社長の甘い罠 〜これって本当に「偽装婚約」なのでしょうか?〜
そうして、色々なお店を見て周り目星をつけた。その後はレンタカーを借りて、首里城跡の方まで足を伸ばす。沖縄にはずっと来たいと思っていたがなかなか機会がなく、今回が初めてということもあって、全てが新鮮だった。
一通り散策し終えて、ホテル・ザ・クラウン沖縄に向かった。東京とどんな風に違うのか、期待で胸が高鳴った。
***
ホテルに到着すると、東京のホテル・ザ・クラウンとは違った解放的な雰囲気に「あぁ、旅行に来たんだな」と高揚した。
チェックインを済ませ部屋に向かうと、そこはスイートルームだった。部屋に入った途端、眼前に広がる海を前に、つい感嘆の声が漏れてしまう。
「わぁぁぁ! すごい、オーシャンビュー!」
「喜んでもらえて良かったよ。本当綺麗だよな」
窓の枠が、まるで絵画の額縁のように感じる。部屋の中はというと、リビングルームとベッドルームが独立したゆったりとした造りになっており、キングサイズのベッドも圧迫感を感じない。広々とした空間だった。
置いてあるクッションや家具類も、海をイメージしたブルーやアラマンダの花をイメージしたイエローが、所々に配色されていた。
職業病というべきか、つい部屋の隅々まで見てしまう。粗探しをしているわけではなく、サービスのクオリティの高さに改めて感動していた。
「バスルームもベッドルームも、どこを見ても本当に一流ですね。シーツもピンと張ってて皺一つ無くて、ベッドにダイブするのも勿体無い……でも、やっちゃうんですけどね?」
そう言って私はベッドに「ポスンッ」と小さくダイブする。
仰向けになって「ふぁ〜〜〜〜」と言いながら天井を見上げた。突然、ひょこっと飛鳥さんが視界の端に入る。