副社長の甘い罠 〜これって本当に「偽装婚約」なのでしょうか?〜
美ら海水族館は、以前飛鳥さんと行った水族館よりとても広く、規模が大きい。
沖縄の海を再現したサンゴの海エリアや、熱帯魚の海エリアを見ていく。色鮮やかな魚が沢山泳いでおり、その美しさに息を呑んだ。
「飛鳥さん、前に行った水族館とはまた違う魚がいますね。幻想的で綺麗……」
「あぁ、違いがあって面白いよな。あ、澪、こっちも綺麗だぞ」
今日も飛鳥さんと手を繋ぎながら、水族館を見て回る。以前は手を握るのも緊張しっぱなしだったけれど、今は「ドキドキ」と「落ち着く」の両方だった。
美ら海水族館で有名な巨大水槽の前に辿り着き、色んな魚を目で追う。
「あ! あれがジンベエザメ?! お、大っきいですね……」
「うん、俺もびっくりした。こんなに大きいんだな」
2人してジンベエザメの迫力に圧倒されながら、つい長居して眺めてしまった。他のエリアにも移動して、マナティーやウミガメ、イルカショーも見て回った。
イルカショーでは相変わらず、「おぉー」と言って飛鳥さんも感動しているようだった。
「ペンギン大好きでしたけど、マナティーとか他の魚も好きになりました」
「次はマナティーのぬいぐるみでも買う? いや、もうぬいぐるみは良いか。これ以上ライバルが増えても困る」
「ライバル??」
「いや、こっちの話」
よく分からないけれど、もうペンちゃんもいるし、自分へのお土産に買うなら別のものにしようと思っていた。
結局、今回はウミガメのストラップを記念に買った。飛鳥さんが可愛いストラップを身につけるイメージはなかったが、せっかくなのでイルカのものを買ってプレゼントした。