副社長の甘い罠 〜これって本当に「偽装婚約」なのでしょうか?〜

美ら海水族館は、以前飛鳥さんと行った水族館よりとても広く、規模が大きい。

沖縄の海を再現したサンゴの海エリアや、熱帯魚の海エリアを見ていく。色鮮やかな魚が沢山泳いでおり、その美しさに息を呑んだ。


「飛鳥さん、前に行った水族館とはまた違う魚がいますね。幻想的で綺麗……」

「あぁ、違いがあって面白いよな。あ、澪、こっちも綺麗だぞ」


今日も飛鳥さんと手を繋ぎながら、水族館を見て回る。以前は手を握るのも緊張しっぱなしだったけれど、今は「ドキドキ」と「落ち着く」の両方だった。

美ら海水族館で有名な巨大水槽の前に辿り着き、色んな魚を目で追う。


「あ! あれがジンベエザメ?! お、大っきいですね……」

「うん、俺もびっくりした。こんなに大きいんだな」


2人してジンベエザメの迫力に圧倒されながら、つい長居して眺めてしまった。他のエリアにも移動して、マナティーやウミガメ、イルカショーも見て回った。

イルカショーでは相変わらず、「おぉー」と言って飛鳥さんも感動しているようだった。

「ペンギン大好きでしたけど、マナティーとか他の魚も好きになりました」

「次はマナティーのぬいぐるみでも買う? いや、もうぬいぐるみは良いか。これ以上ライバルが増えても困る」

「ライバル??」

「いや、こっちの話」


よく分からないけれど、もうペンちゃんもいるし、自分へのお土産に買うなら別のものにしようと思っていた。

結局、今回はウミガメのストラップを記念に買った。飛鳥さんが可愛いストラップを身につけるイメージはなかったが、せっかくなのでイルカのものを買ってプレゼントした。
< 154 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop