副社長の甘い罠 〜これって本当に「偽装婚約」なのでしょうか?〜
するととても嬉しそうな顔をして、休みの日にたまに身につけている斜めがけのバッグに、早速ストラップをつけていた。その姿につい、笑みが溢れてしまう。
途中でご飯を済ませてから、水族館のすぐ隣にある海洋博公園も散策した。
観葉植物が好きな飛鳥さんが楽しめそう!と思い、熱帯ドリームセンターにも足を伸ばした。こちらも見応えたっぷりだった。
「熱帯のお花が中心だからか、色が鮮やかですよね。見てるだけで気持ちが晴れるというか」
「綺麗だよな。つい、ひとつひとつゆっくり見ちゃうんだけど、全部見切れるかな…」
「ふふ、飛鳥さん、時間はありますから、ゆっくり見ていきましょう?」
一般的な所要時間よりもゆっくり、2人で歩きながら見て回った。
熱帯ドリームセンターも見終えて、車で移動しながら途中のカフェで休憩を挟み、次の目的地を目指した。次は、古宇利大橋を渡って古宇利島に行く予定だ。
全長1960mもある古宇利大橋を、飛鳥さんの運転で駆け抜けていく。右も左もエメラルドグリーンで、その美しさをひたすら目に焼き付けた。
古宇利島に到着してからは、早速浜辺を歩こうとなり、近くに車を停めて砂浜に降り立つ。砂浜を2人で歩き始めた。
この時期の日の入りは19時過ぎだが、少しずつ陽が傾き始めていた。
「うわぁ……夕日が綺麗ですね。それに、あれがハートロックですよね。本物だ〜」
「はは、澪が感動してくれて良かったよ。古宇利島は『神の島』とか『恋の島』って呼ばれてるんだ。神秘的だよな」