副社長の甘い罠 〜これって本当に「偽装婚約」なのでしょうか?〜
澪が俺の膝の上に座る。こちらに背を向けているので表情までは見えないが、耳は真っ赤になっている。澪の髪を触ると、ピクッと反応した。


(あーやばい、俺のアソコ大丈夫かな…)

 
自分から膝に座らせておいて、若干後悔し始めていた。澪の匂いと、いちいち可愛い反応に、俺のアソコが反応してしまいそうだった。


(まずい、落ち着けないと……)


ひとまず映画をつけると、お互い真剣に見始めた。この後ローストビーフもあるので、おつまみやワインもほどほどに抑えた。

 
「この映画も最初はカオスでしたけど、最後はちゃんとしまりましたね」

「あぁ、毎回展開が全く読めないから、ハラハラするよな」

「あ、ローストビーフもちょうど良い頃合いなので、晩御飯にしちゃいましょうか」

 
そう言って、澪はローストビーフを冷蔵庫から出し、カットしていく。
 
その他にも、春キャベツとポテトのサラダや、トマトと豆のスープ、クリームパスタまで並べていった。こんなに用意してくれていたのか。


「悪い、こんなに用意させて。次はちゃんと俺も手伝う」

「あぁ、大丈夫ですよ。私、料理、結構好きなんですよね。ありがとうございます」


そう言ってニコニコしながら「さぁ召し上がれ」と言う。こういう澪を見ても、俺は「お母さんっぽい」とは一度も思ったことがない。
今まで澪と付き合ってきた男は、澪の何を見ていたんだろう?


「いただきます」


早速、ローストビーフからいただく。しっかり味が染みていて、とても美味しい。
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