副社長の甘い罠 〜これって本当に「偽装婚約」なのでしょうか?〜
荒木さんの車が走り始める。色々と気になることは沢山あるが、まず一番聞きたいことは……
「飛鳥さん、お元気ですか?」
「あー……はい、なんとか生きてます」
「え、なんとか生きてるって、どういうことです?」
「実は、倉田さんと喧嘩してしまった後、激しく落ち込んでて、あんまり仕事が手に付いてないんです……」
「え?! そうだったんですか??」
「あんなにミスしまくりの副社長、俺も初めて見ました。倉田さんは副社長のこと嫌いになってしまったかもしれませんが、どうか見捨てないであげて下さい……」
「見捨てるだなんて……あ、でも、一旦自分のマンションに帰ろうかなとは思いましたけど」
「あぁ、それ、もうあの人立ち直れなくなりますね」
「え、私、そんなに影響力あります!?」
「そりゃもう、絶大ですよ。倉田さんのためなら、一回死んでも生き返ってきそうです」
「それは流石に大袈裟では……」
どうやら飛鳥さんは飛鳥さんで、ダメージを受けているようだ。電話を一方的に切ったのは私の方だけれど、少し心配になってしまう。
それに、『ミスしまくりの飛鳥さん』というのも、全くイメージできない。それくらい、経営者としては完璧な人だから。
「今日だって、確かに東京でやることはありましたけど、倉田さんが何か嫌な目に遭わないように送迎しろって副社長命令ですからね。本当あの人、愛情が重いですよね」
「そうだったんですね、荒木さんまで巻き込んで申し訳ないです……」
「いえ、俺もあんなに甘々な副社長、滅多に見れないというか初めて見たので、めちゃくちゃ楽しんでます」
「飛鳥さん、お元気ですか?」
「あー……はい、なんとか生きてます」
「え、なんとか生きてるって、どういうことです?」
「実は、倉田さんと喧嘩してしまった後、激しく落ち込んでて、あんまり仕事が手に付いてないんです……」
「え?! そうだったんですか??」
「あんなにミスしまくりの副社長、俺も初めて見ました。倉田さんは副社長のこと嫌いになってしまったかもしれませんが、どうか見捨てないであげて下さい……」
「見捨てるだなんて……あ、でも、一旦自分のマンションに帰ろうかなとは思いましたけど」
「あぁ、それ、もうあの人立ち直れなくなりますね」
「え、私、そんなに影響力あります!?」
「そりゃもう、絶大ですよ。倉田さんのためなら、一回死んでも生き返ってきそうです」
「それは流石に大袈裟では……」
どうやら飛鳥さんは飛鳥さんで、ダメージを受けているようだ。電話を一方的に切ったのは私の方だけれど、少し心配になってしまう。
それに、『ミスしまくりの飛鳥さん』というのも、全くイメージできない。それくらい、経営者としては完璧な人だから。
「今日だって、確かに東京でやることはありましたけど、倉田さんが何か嫌な目に遭わないように送迎しろって副社長命令ですからね。本当あの人、愛情が重いですよね」
「そうだったんですね、荒木さんまで巻き込んで申し訳ないです……」
「いえ、俺もあんなに甘々な副社長、滅多に見れないというか初めて見たので、めちゃくちゃ楽しんでます」