片翼を君にあげる④
序章

天使side


私は君に恋をした。
だから私の片翼を君にあげたのに、君はそれを他の男にあげてしまった。

許せなかった。
どうして、気付いてくれなかった。
君のせいで、私は全てを失った。

存在も、居場所も、全てーー……。

許せない。
許せない。許せない。
許せない。許せない!許せない……!!


そうだ、呪いをかけよう。
君が……。いや、その子供や孫達が、愛する者とは決して幸せにはなれない呪いを……。

私と同じ想いをするよう、呪いをかけよう。
地獄に堕ちても構わない。
もう、天使などと呼ばれずとも良い。

私の恋心(この想い)を永遠に忘れられないように、呪いをかけてやろう。
私の気持ちを踏み躙った君の罪を、その末裔達に受け継がせてやろう。

そして私は、その呪いで君の末裔達が苦しむ姿を永遠に見続けよう。
それが、消える事も出来ず、無意味に存在する私の唯一の楽しみとなった。

さぁ、苦しめ。
私にもっと見せてくれ。
ずっと、ずっと、見ているから……、……。


抗うか?
抗えるのか?
それもまた一興。

この呪いが続く限り、君は私を忘れられはしないのだからーー……。

待っているよ。
君が全てを終わらせに来てくれる、その日まで……。

……
…………。
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